コーヒーはぼくの杖 岩野 響

コーヒーはぼくの杖 岩野響 本


本が大好きで1か月に15冊くらいは読んでいる私ですが、読んでそれなりに面白い本でも「1回読めばいいや」というものがほとんど。

そんな私が最近とても心に残った本に出会いました。

題名は「コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの」という本。

小学生のときにアスペルガー症候群と診断された岩野響くんとそのご両親の3人の目線で書かれた本です。





とにかくご両親が素晴らしい!!


本のタイトルの主語が響くんだったことから、本人のみが書いた本かと思いましたが、実際は「響くんの視点」、「お父様の視点」、「お母様の視点」と3方向からの視点で構成された内容になっています。


読んでいて強く思ったことは、とにかくご両親の響くんへの接し方が素晴らしい!!という点。


子供の頃からずっと一緒に生活していて、「我が子が普通ではない」ことを少なからず感じつつも、それを「個性」と思って愛し続けます。

けれども成長して学校に通うようになると、集団生活で「普通であること」を重視されるようになり、「個性」だけでは済まされない障害が出てきてしまいます。


学校に通うことに強いストレスを感じていた響くんの様子を察して、ご両親の方から「学校に無理して行かなくてもいいよ。」と提案します。


あるがままの自分を受け入れてくれたご両親のおかげで響くんは「自己肯定感」を損なわれることなく成長できたと思います。



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最近は「イクメン」という言葉も世の中に浸透し、育児に積極的に参加するお父さんも増えてきましたが、実際はまだまだお母さんのワンオペ育児が多数を占めています。

響くんのお父様は学校への送迎などちょっとした時間に響くんの「異変」に気づき、救いの手を差し伸べます。

反抗期や思春期真っ只中の中学生時代に、子供と親で良い関係を築けたらきっと一生仲の良い親子でいられるんだろうなぁ(^^)



「普通」を求めてしまう親たち


自分もそうですが、日本人の親はとにかく子供に「普通」を求めてしまいますよね。

それはやはり狭い国土の中で「集団生活」を強いられてきた私たちが、周囲から「人に迷惑を掛けてはいけない」と教えられてきたからでしょうか。

私自身も子供の個性を大事にしてあげたいと思いつつも、「普通の子供らしくもっと外遊びすればいいのにな」なんて心の中で自分の子供が「普通の子供」らしくいることを求めてしまっています。。。


アスペルガー症候群と診断され、学校生活には向かなかった響くんですが、鋭い嗅覚を活かして現在はコーヒー焙煎士として活躍しています。


最近ニュースで「日本型の終身雇用の見直し」が検討されていると耳にしましたが、これからは大企業に入社しても必ずしも将来が約束されていない時代。

「良いものを黙々と作り続ける人」と「その良いものを世の中に広める人」は別々の人でもいいですよね!

お互いが自分の良いところを活かして活躍できる社会になってほしいと思います(^^)/




<まとめ>

コーヒーはぼくの杖 岩野響 本

響くんはコーヒーが杖になりましたが、この本が誰かの杖になることも絶対あるはず!多くの人に読んでもらいたい本です。(特に子育て中の方)


私も読み終わった後すぐに家族に勧めましたよ♪





内容は全然違いますが、中学生が書いた本でメディアでも話題になった「さよなら、田中さん」も面白い。
私がこの作品を知ったきっかけはTBS「王様のブランチ」のブックコーナーでした。


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中学生が書いたとは思えないほどストーリーの構成がよく出来ていて、読者を飽きさせません。

編集者のアドバイスもあったのかもしれないけれど、それにしてもスゴイ中学生です。

笑えるところもあれば、目が潤んでしまう場面もあり、一気に読めました!

それにしても子供は大人が思っている以上に親をよく見ている...。
気をつけねば(^_^;)




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